パトラッシュの犬種をめぐっては、現代のSNSやネット掲示板においていくつかの根強い誤解や都市伝説が存在します。その代表例を検証しておきましょう。
誤解1:「アニメのパトラッシュは純血のセントバーナードである」
これは完全な誤解です。体型や耳の付き方、毛色の配分こそセントバーナードに似せて描かれていますが、アニメーション制作上の設定では「フランドル地方の雑種(ミックス犬)」として扱われています。セントバーナードはスイスアルプス原産の山岳救助犬であり、海に近い低地であるフランドル平原の農民が飼育する犬種としては歴史的・地理的に整合しません。
誤解2:「ベルギーに行けばアニメと同じパトラッシュに会える」
ベルギーのアントワープにあるノートルダム大聖堂の前には、ネロとパトラッシュをかたどった記念碑(石畳の毛布にくるまって眠る少年と犬の彫刻)が設置されています。しかし、現地の人々にとって『フランダースの犬』はもともとイギリス文学であり、長年ベルギー国内ではほとんど知られていませんでした。現在の大聖堂前の彫刻も、多くの日本人観光客の熱意に応える形で設置されたものであり、ベルギーの街角を歩いてもアニメ版のような黄色いパトラッシュが歩いているわけではありません。