リスクの実態は製品カテゴリーによって大きく異なります。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)や消費者庁、厚生労働省などの最新報告をもとに、特に警戒すべき分野の現状を整理しました。
なかでも深刻なのが中国製モバイルバッテリーの発火リスクです。NITEの公表データによると、発火・発煙事故の8割以上を海外無名ブランドのセルが占めています。セパレータ(絶縁材)の厚みが不均一な粗悪セルは、わずかな落下衝撃や過充電で内部短絡を起こし、熱暴走に至ります。また、扇風機やセラミックヒーターなどの中国製家電の危険性としても、内部コードの断面積が規定を下回り、通電時にコード自体が溶融・発火する初歩的欠陥が依然として散見されます。
口唇や粘膜に触れる製品にも注意が必要です。一部のECモールで販売された無届のリップやアイシャドウから、国内使用禁止の着色料や許容量を超える鉛が検出されるなど、中国製コスメの有害成分疑惑はSNS上でも度々炎上しています。さらに、口に入れてしまう恐れのある乳幼児向けプラスチックトイや衣類における中国製ベビー用品の注意点として、欧州や日本で規制されている生殖毒性物質(フタル酸系可塑剤)の基準値超過が海外機関から相次いで報告されています。
ソフトウェア領域では、中国製アプリの個人情報漏洩に対する警戒感が強まっています。中国には2017年に施行された「国家情報法」があり、いかなる組織及び公民も国の情報活動を支持し、援助し、協力しなければならないと義務付けられています。アプリが連絡先や位置情報、生体認証データを中国本土のサーバーへ同期・保管している場合、法的強制力をもって公権力に渡る構造的リスクは無視できません。