おりものは、子宮頸管や膣壁、バルトリン腺などから分泌される体液が混ざり合った分泌物です。その主な役割は「膣内の自浄作用」と「受精の手助け」にあります。分泌量が人より少ないと感じる場合、大きく分けて「先天的な体質」と「後天的なホルモンバランスの乱れ」という2つの側面から原因を紐解く必要があります。
まず知っておくべきは、おりものが少ない体質を持つ女性の存在です。唾液や汗の量に個人差があるのと同様に、分泌腺の数やホルモンへの受容体の感度には生まれつき個体差があります。また、分泌された液が膣の外まで流れ出ず、膣内部にとどまって正常な自浄作用を果たしているだけのケースも多いため、「下着につかない=病気」と直結するわけではありません。
一方で、警戒が必要なのはおりもの全く出ない原因がホルモン分泌の機能低下にある場合です。おりものの分泌を強力に促進するのは女性ホルモンの一種である「エストロゲン(卵胞ホルモン)」です。過度なカロリー制限によるダイエット、激しい運動、不規則な生活リズム、あるいは過度な精神的ストレスによって自律神経が乱れると、脳の視床下部から卵巣への指令が滞り、エストロゲン低下によるおりものの激減が引き起こされます。
おりものが出ない理由を整理すると、単なる体質にとどまらず、身体からのエネルギー不足や過労のSOSサインとして分泌がストップしているケースがある点を見逃してはなりません。