サスペンスの醍醐味である犯人役や重要参考人において、実力派女優たちが見せた怪演はシリーズ屈指のハイライトです。杉下右京の鋭い観察眼によって暴かれていく、人間の業や欲望、歪んだ愛を見事に体現しました。
記憶に新しいところでは、高橋惠子や萬田久子といった大御所が見せた、気品の中に冷徹な狂気を秘めた黒幕の佇まいが挙げられます。一方で、社会の不条理に追い詰められた末に手を染めてしまう悲哀の犯人を演じた酒井美紀や黒川智花の演技は、視聴者の涙を誘いました。単なる悪人として片付けられない多面的なキャラクター造形こそが、『相棒』が長年支持される理由です。