遊就館の館内は、誰でも自由に立ち寄れる「無料エリア(新館1階エントランスホール)」と、チケットを購入して見学する「有料エリア(本館・新館展示室)」に明確に分かれています。
まずエントランスの無料エリアで圧倒的な存在感を放つのが、精密に復元された零式艦上戦闘機五二型(零戦52型)です。ミクロネシア諸島ヤップ島で発見された機体を中心に復元されたこの実機は、金属の質感や流線型の優美なフォルムを360度の角度から間近に観察できます。さらに隣には、泰緬鉄道の開通式に参加したC56型蒸気機関車(31号機)や、沖縄戦などで使用された八九式十五糎加農砲が堂々と展示されており、無料ゾーンだけでも立ち寄る価値は十分にあります。
一方、ゲートをくぐった先の有料展示室は全22室に及び、古代・中世の武具から幕末維新、日清・日露戦争、そして大東亜戦争(太平洋戦争)に至る膨大な歴史資料が時系列で展開されます。中でも大展示室の迫力は圧巻です。
- 艦上爆撃機「彗星」一一型:ニューギニアのジャングルから回収・復元された、世界で唯一現存する極めて貴重な実機。液冷エンジンを搭載した独自の細身な機体設計が確認できます。
- 人間魚雷「回天」一型(実物大模型・遺品):潜水艦から発進する極限の特攻兵器。内部構造の図面や搭乗員の肉声テープ、別れの辞が胸を締め付けます。
- 特殊滑空機「桜花」十一型(複製):母機から切り離されて突入するロケット推進機。設計思想の過酷さを物語ります。
- 九七式中戦車(チハ車):サイパン島から発掘・帰還を果たした実物戦車。装甲に残る無数の弾痕が生々しい戦闘の激しさを伝えます。