「肩身が狭い(かたみがせまい)」とは、世間や周囲の人々に対して引け目や恥ずかしさを感じ、堂々と振る舞えない状態を指す言葉です。ミスをして周囲に迷惑をかけたときや、自分だけ実績を出せていないときなどに感じる「居心地の悪さ」「気まずさ」を表す際によく使われます。
語源を探ると、人の体つきや姿勢を表す「肩」と「身(身体や境遇)」の組み合わせに由来しています。古くから、誇らしく自信に満ちているときは胸を張って肩を広げるのに対し、恥ずかしさや引け目があるときは無意識に肩をすぼめて身体を小さく見せようとする姿勢をとることから、この慣用句が生まれました。
よく疑問に持たれるのが「身が狭い」との違いです。「身が狭い」は『源氏物語』など平安時代の古典文学にも見られる古い表現で、自分の社会的な立場や世間体が狭められている感覚を意味します。時代が下るにつれて、身体的ジェスチャーとしての「肩」が組み合わさった「肩身が狭い」が定着し、現在では「肩身が狭い」を使うのが一般的です。意味としてはほぼ同義ですが、現代日本語としては「肩身が狭い」のほうが自然な響きを持ちます。