オリジナル曲の制作やアドリブ演奏で自らエモい進行を生み出すためには、感覚だけに頼るのではなく「トニック(安心)」「サブドミナント(広がり・旅立ち)」「ドミナント(緊張・渇望)」のエネルギー循環を意識することが不可欠です。
心理学的に感情が最も揺れ動くのは、「安心できるはずの場所から遠ざかり、戻れそうで戻れない瞬間」です。したがって、コード進行の作り方における最大のコツは、「サビの1拍目にトニック(I)を持ってこない」という逆転の発想にあります。
サビの頭をIV(サブドミナント)やIVM7に設定し、最高潮の盛り上がりでリスナーの心を宙づりにします。そして曲の最後の最後、アウトロのラスト1音でようやく主音(I)へ解決させることで、聴き終えた後に深い余韻とカタルシス(感情の浄化)を残すことができるのです。
【プロの結論】おすすめできるアプローチ・慎重になるべき表現手法
エモいコード進行をギター演奏に取り入れる際、自分の演奏スタイルや目的に応じた適切な選択基準を持つことが大切です。
【今すぐ取り入れるべき人】
・弾き語りで歌の表現力を底上げしたいボーカリスト(歌のメロディを邪魔せず世界観を濃密に演出できる)
・SNSや動画投稿で数秒でリスナーの耳を引きつけたいクリエイター(イントロ数秒のコード感で再生維持率を高められる)
・ジャズやネオソウルの入門としてテンションコードを学びたいギタリスト
【乱用に慎重になるべきケース】
・ストレートなパンクロックや疾走系パワーポップを作曲する場合(複雑なテンションは楽曲本来の粗削りな推進力やアタック感を弱めてしまうリスクがある)
・すべてのパートを同じ丸サ進行だけで埋め尽くしてしまう構成(楽曲全体の展開が平坦になり、リスナーが聴き疲れを起こしやすい)