スタジアムの記者席やサポーターの集まるパブで観戦していると、「今のプレー、完全に相手のディフェンダーより後ろにいたのになぜファウルにならないの?」と周囲がざわつく場面に遭遇します。その多くは、サッカーにおける明確なオフサイドの例外規定が関係しています。
競技規則第11条には、特定の状況下でオフサイドの罰則を適用しないことが明記されています。観戦時に必ず押さえておきたい3大例外が、スローイン、コーナーキック、ゴールキックです。これらはセットプレーからボールを直接受ける場合に限り、どれだけ相手ゴール前に張り付いていようと完全に合法となります。プロの試合でも、相手が陣形を整える前にスローインをすばやく相手DFの裏へ投げ込み、フリーでシュートを放つ場面が頻繁に見られます。
現場で最も白熱した議論が巻き起こるのが、「相手ディフェンダーが触ったボール」の処理です。IFABの現行ガイドラインでは、守備側選手が体をコントロールして自発的にボールを扱おうとした(意図的なプレー)結果としてミスが起き、攻撃側の選手に渡った場合はオフサイドが解除されます。しかし、至近距離から強烈なシュートが飛んできて咄嗟に体に当たって跳ね返ったようなケース(ディフレクションやセーブ)では、オフサイドポジションにいた攻撃側選手の反則が宣告されます。この「意図的なプレーか、単なる偶発的な接触か」の境界線こそが、審判団とVARが最もシビアにチェックするポイントです。