ヨーロッパのショコラ文化を語る上で見逃せないのが、国による「プラリネ」という言葉の定義の違いです。
フランスにおいてプラリネとは、前述の通り「ナッツをキャラメリゼして加工したもの」を意味します。一方、ベルギーで「プラリネ(Praline)」と注文すると、中身にフィリング(詰め物)が入った一口サイズの粒チョコレート(ボンボン・ショコラ)全般を指す言葉として使われます。
この違いを生んだのは、1912年にベルギーの老舗ショコラトリー「ノイハウス」の3代目ジャン・ノイハウスが開発した技術です。彼は薄いチョコレートのシェル(殻)の中にクリームやガナッシュ、ナッツペーストを詰める画期的な一口チョコを発明し、これを「プラリネ」と命名しました。そのため、ベルギー産チョコレートの文脈では「中身が何であれ、シェルに包まれた粒チョコ=プラリネ」と呼ばれる文化が定着しています。