庶民の代表的な住居とされる竪穴住居。これまでの通説では縄文時代から続く画一的な穴ぐらと見なされがちだったが、5世紀から6世紀にかけて劇的な構造改革が起きていた。特に注目されるのが、渡来人によってもたらされた「カマド」の導入だ。従来の炉とは異なり、煙を屋外へ排出する煙道を備えたカマドの普及は、室内環境の劇的な改善と調理効率の飛躍的な向上をもたらした。
さらに、集落の配置パターンを広域解析した結果、これらの住居群はランダムに作られたのではなく、支配層の拠点施設を中心に整然と区画整理されていたことが明らかになった。集落の都市化と住まいの様式美は、そのままヤマト王権による地方統治の浸透度と権力構造の強固さを象徴していたのだ。