現代では「死の直前の記憶想起」を指す代名詞となった走馬灯ですが、本来の語源は中国発祥の伝統的な玩具・照明器具である「走馬燈(そうばとう)」に由来します。
走馬燈は、内側の円筒に馬などの絵を描き、中心に置いたろうそくの熱上昇気流によって風車を回転させ、影絵が外側の障子紙に次々と映し出される仕組みの灯籠です。影絵の馬が次から次へと途切れることなく走り去っていく様子から、「物事が目まぐるしく移り変わり、次々と現れては消えるさま」を例える慣用句として使われるようになりました。
江戸時代から日本でも夏の風物詩として親しまれていたこの仕掛けが、近代以降、臨死時に記憶が回転木馬のように連続再生される心理現象の描写へと転用され、定着していきました。