男性がカリ首の異変に気づくきっかけの筆頭が「白い小さなぶつぶつ」の発見です。「性病に感染したのではないか」という恐怖感からパニックに陥る相談者が臨床現場でも後を絶ちません。しかし、カリ首のぶつぶつ原因の大半は、治療の必要すらない良性の生理現象です。
代表的なものが真珠様陰茎小丘疹(しんじゅよういんけいしょうきゅうしん/Pearly Penile Papules: PPP)です。これは冠状溝の縁に沿って、直径1〜2ミリ程度の均一な白または淡紅色の小丘疹が、まるで真珠のネックレスのように一列から数列、規則正しく並ぶ組織変化です。日本人成人男性の約15〜30%にみられる生理的な突起物であり、病原菌やウイルスによるものではなく、他者への感染力も一切ありません。
もう一つの代表格がフォアダイスです。これは本来毛包に付随して存在する皮脂腺が、包皮や陰茎皮膚の毛のない部位に独立して現れた「異所性皮脂腺」です。黄色から白っぽいわずかな隆起として散見され、こちらも完全に無害な生理現象に過ぎません。
警戒すべきは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型・11型などの感染によって引き起こされる性感染症、尖圭コンジローマとの違いです。尖圭コンジローマは放置すると徐々に増大し、カリフラワー状やトサカ状のいびつな形態へ変化します。表面がザラザラして脆く、パートナーへ高い確率で感染させるため、早期の外科的切除やベセルナクリーム(イミキモド)等による薬物治療が不可欠です。