事件の発端は1999年1月、猪野詩織さんが知人とのゲームセンターで元交際相手の小松和人(当時33歳)と出会ったことでした。小松は偽名と嘘の経歴で詩織さんに近づき、やがて異常な束縛と暴力的な態度を見せ始めます。身の危険を感じた詩織さんが別れを切り出すと、態度は一変して逆上。「家族をメチャメチャにしてやる」といった激しい脅迫が始まりました。
その後、嫌がらせは狂気を帯びてエスカレートしていきました。詩織さんの自宅や父親の勤務先、近隣一帯に誹謗中傷を記した無数のビラがばらまかれ、不気味なメッセージテープが自宅ポストに投げ込まれる事態に発展します。精神的に追い詰められながらも、詩織さんとそのご家族は証拠を詳細に記録し、藁をもつかむ思いで警察へ助けを求めました。しかし、その声が聞き届けられることはなく、同年10月26日、桶川駅西口で待ち伏せしていた刺客の手によって詩織さんの尊い命が理不尽に奪われたのです。