「邑久」の正しい読み方は「おく」。『日本書紀』や『古事記』の時代にまで遡る古くからの地名であり、古代の「大鹿(おしか)」や「大久(おおく)」という語感が変化して「おく」になったという説が有力だ。漢字の「邑(むら、ゆう)」と「久(ひさしい)」の組み合わせからは「おく」という音を連想しにくいため、現代人にとっては代表的な難読地名・難読漢字として挙げられる。
古代の「邑(むら・国)」の奥まった場所、あるいは豊かな実りをもたらす「大久(大きな土地)」を意味していたとも言われ、その歴史は数千年の時間を跨いでいる。近代以降も地域のアイデンティティとして残り続け、平成の大合併によって瀬戸内市が発足した後も、駅名や施設名としてその確固たる存在感を示している。