福岡の地震安全神話は崩壊?警固断層の現在と南海トラフ影響を徹底検証

福岡の地震安全神話は崩壊?警固断層の現在と南海トラフ影響を徹底検証

福岡の地震安全神話は崩壊?警固断層の現在と南海トラフ影響を徹底検証の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

なぜ世間では「福岡は地震が少ない」と信じ込まれてきたのでしょうか。そこには二つの錯覚が存在します。

一つは、プレート沈み込み帯の直上に位置する太平洋側の各都市と比べ、ユーラシアプレートの内部に位置する福岡は海溝型地震の震源域から物理的な距離がある点です。これが福岡地震少ない理由として語られる最大の根拠です。過去数百年の有史記録を振り返っても、太平洋側のように数十〜百年の短いスパンで壊滅的な巨大地震が規則正しく襲来してきたわけではありません。

もう一つは、人間の心理に根深く存在する「正常性バイアス」です。大災害を経験していない期間が長引くほど、住民コミュニティには「この街はこれまで大丈夫だったから、明日も大丈夫だ」という集団的確信バイアスが醸成されます。SNSや知恵袋の移住相談スレッドでも「福岡に10年住んでいるが、家具が倒れるような揺れは一度もない」といった無邪気な書き込みが散見されます。

しかし、この神話は2005年3月20日、午前10時53分に音を立てて粉砕されました。マグニチュード7.0を記録した福岡県西方沖地震です。福岡市東区や前原市(現・糸島市)で最大震度6弱を観測。震源に近い玄界島では全半壊が住宅の約半数に達し、天神のオフィス街では高層ビルの窓ガラスが歩道へ雨あられと降り注ぎました。福岡は決して「揺れない聖域」などではなかったのです。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。