後輩が新羅会館で泣いた理由には、単なる空腹や贅沢への感動にとどまらない、深い心理的背景が存在します。
席に着いた当初、後輩は高級店のメニューの価格帯に萎縮し、一番安いメニューを遠慮がちに注文しようとしました。しかし先輩はそれを制し、「遠慮せんと好きなもん全部食え。お前が売れたら後輩に同じことしたったらええねん」と告げ、特上カルビや特選ロースを次々と注文したのです。
さらに食事の最中、先輩は後輩が抱えていた芸風の迷いや不安に対し、「お前の面白さは俺が一番よう分かってる。周りが何と言おうと、絶対にそのスタイルを変えるな」と、揺るぎない確信を込めて語りかけました。誰からも評価されず孤立無援だと感じていた後輩は、もっとも尊敬する先輩からの全肯定を受け、溢れ出る涙を止めることができなくなりました。