意思決定の構造を紐解く上で欠かせないのが、一人の判断者に権限を集中させる「単独制」との対比である。裁判所であれば、地方裁判所の小規模な民事・刑事事件などは裁判官1名による単独制で手際よく処理される。スピード感と意思決定の軸のブレなさにおいて、単独制の右に出るものはない。
一方で、重大な人権問題や社会的インパクトの大きい案件は複数の裁判官による協議へと委ねられる。この2つの制度の根本的な違いは、「処理の迅速性」をとるか、「判断の慎重さと客観性」をとるかという点にある。企業経営においても、日常的な業務執行は単独制(CEOや事業部長の決裁)に委ねつつ、会社の存続を左右する大型M&Aや構造改革などは取締役会という協議の場を通す二段構えが基本原理となっている。