歌唱スタイルの潮流も激変した。YouTubeで爆発的な支持を集める「THE FIRST TAKE」の台頭以降、過剰なエコーや加工で誤魔化さない、剥き出しの生々しいボーカルが評価される時代となった。息遣い(ブレス)の音そのものを感情表現の一部として響かせる技術が求められている。
また、しらスタをはじめとするボイストレーニング系クリエイターによる分かりやすい解説動画が広く浸透したことで、一般リスナーの耳も肥えた。もはや「大きな声で力強く歌う」だけでは人を惹きつけられない。マイクのヘッド部分を握らず、グリルから指2本分ほど離した位置で正面から声を当てる。マイクワークひとつで、ささやくようなウィスパーボイスから力強いベルトボイスまで、驚くほど豊かなダイナミクスがスピーカーから響き渡る。