映像ディレクター・田中裕介がメガホンを取ったミュージックビデオは、公開当時から大きな波紋を呼びました。広大なススキ野原の彼方にそびえる富士山。その前で純和風の白塗りメイクに艶やかな着物をまとった舞妓たちが、激しいエレクトロ・ロックに合わせて無表情かつ一糸乱れぬ日本舞踊を繰り広げる光景です。
なぜこのビジュアルが選ばれたのか。その狙いは「日本人にしか作れないダンスミュージックの提示」にあります。欧米のクラブカルチャーをそのまま模倣するのではなく、花街の芸妓や舞妓という「自らを律して芸を見せる存在」を重ね合わせることで、大衆の視線にさらされながら演奏するバンド自身のメタファーとして機能させました。
夕暮れから夜へと移り変わる光のグラデーション、照明に照らされる巨大な和傘、そして終盤の激しいドラミング。西洋的なビートと日本的なアニミズムがぶつかり合う映像世界は、海外のクリエイターからも「強烈なオリジナリティ」として絶賛され、楽曲の持つ文学性を何倍にも増幅させています。