2016年8月の未明、東京都文京区の自宅で佳菜子さんが倒れているのが発見された。当初、被告は「妻は階段から落ちた」「首を吊って自殺した」と説明を変遷させたが、捜査当局は遺体の状況や頸部への加害痕から他殺と断定。殺人容疑での逮捕に踏み切った。
東京地方裁判所で開かれた第一審の刑事裁判では、直接的な目撃者や防犯カメラ映像が存在しない「密室の事件」であることが最大の焦点となった。検察側は法医学者の鑑定を根拠に「強い力で首を絞められたことによる窒息死」と主張。一方、弁護側は「階段の手すりを使った首吊り自殺であり、被告はそれを止めようとしたに過ぎない」と完全無罪を主張し、真っ向から対立した。東京地裁は検察側の主張を認め、懲役11年の有罪判決を言い渡した。