試験会場で多くの受検者が陥る典型的な失敗は、「大砲、オルガン、耳、ラジオ……」と単語の羅列を根性で丸暗記しようとすることです。加齢に伴い低下するのは意味のない記号列を保持する短期記憶であり、文脈や情景と結びついたエピソード記憶は年齢を重ねても強固に機能します。そこで威力を発揮するのがストーリー記憶法です。
ストーリー記憶法とは、提示される4枚×4グループ(計16枚)のイラストを1本の奇抜な物語に仕立てて脳内に映像化する手法です。人間の脳は、論理的に正しい話よりも「少しおかしな、感情が動く情景」を鮮烈に記憶します。
例えば、パターンAの16枚(戦車・太鼓・ラジオ・ペンチ・カラス・トンボ・ユリ・ライオン・ヘリコプター・鍋・ぶどう・トマト・靴下・ノコギリ・目・ベッド)を記憶する場合、以下のように4ブロックの情景を脳内スクリーンに映し出します。
【パターンAの物語化の例】
・第1幕:戦車の上で太鼓を叩き鳴らすと、壊れたラジオから火花が散り、整備士がペンチで慌てて修理する。
・第2幕:そこへ黒いカラスと巨大なトンボが飛んできて、白いユリをくわえた百獣の王ライオンの頭に着地する。
・第3幕:空からヘリコプターが救援物資として大きな鍋を吊り下げて現れ、中には甘いぶどうと真っ赤なトマトが満載されている。
・第4幕:足元を見ると片方だけの靴下が落ちており、大工がノコギリで引き裂いた瞬間、巨大な目がギョロリと開き、そのままベッドへ倒れ込む。
さらに、各パターンの頭文字を繋げた「認知機能検査語呂合わせ」を補助輪として組み合わせることで、万が一物語のワンシーンが抜け落ちた際も即座に記憶を手繰り寄せることが可能です。頭の中で鮮明なカラー映画を再生するように覚えることこそ、短時間で満点を狙う絶対の奥義といえます。