「ベトナムでエルメスが数万円で買えた」というSNS上の投稿や動画を目にすることがありますが、これらは100%偽物(コピー商品)です。ベトナムの主要観光地であるホーチミンのベンタイン市場やサイゴンスクエア、ハノイの旧市街などには、ハイブランドのロゴを模した精巧な模倣品が堂々と陳列されています。
現地を訪れる消費者が騙されないために知っておくべき「ベトナム エルメス 偽物 見分け方」と市場の裏側を整理します。
露店や非正規のセレクトショップで販売されている「スーパーコピー」と呼ばれる商品は、外見こそ本物のトゴ革やトリヨンクレマンスに似せて作られていますが、細部の職人技において明白な粗雑さが露呈します。
具体的には、職人による手縫い(サドルステッチ)特有の右上がり傾斜の乱れ、金具のメッキの薄さとエッジのバリ、刻印(HERMÈS PARIS MADE IN FRANCE)のフォントの歪みや彫りの深さの不均一さ、そして革のコバ塗り(断面の保護処理)の厚みや匂いに決定的な差が出ます。本物のエルメス革製品が放つ芳醇な上質レザーの香りに比べ、模倣品は刺激的な接着剤や化学薬品の臭いが残っています。
また、日本国内への偽ブランド品の持ち込みは、2022年の関税法改正以降、個人使用目的であっても税関で没収対象となっており、場合によっては法令違反に問われます。「安いからお土産感覚で」と安易に手を出せば、金銭的損失だけでなく法的リスクを背負うことになります。