伊勢湾岸自動車道のみえ川越ICから四日市港コンテナターミナル方面へと直結する「四日市いなばポートライン」。その正式名称は霞4号幹線道路であり、港湾施設を管理する四日市港管理組合によって整備された臨海幹線道路です。かつて四日市港の近代化に私財を投じて尽力した豪商・稲葉三右衛門の名にちなんで公募命名されたこの道路が、なぜこれほどまでに世間の注目を集めているのでしょうか。
最大の理由は、日本五大工場夜景の一つに数えられる四日市コンビナート夜景の核心部を、海上の特等席から立体的に見渡せる点にあります。コスモ石油四日市製油所をはじめとする林立する精留塔、幾重にも張り巡らされた配管、天を突くフレアスタックが放つ幻想的な光彩の中を、滑らかな高架橋で駆け抜ける疾走感は、既存の展望台からは決して味わえない没入感をもたらします。
本来は港湾物流の効率化と国道23号線渋滞緩和を主目的として建設された社会インフラですが、機能美を極めたコンクリートと鋼梁の幾何学的な造形美そのものが、夜景ファンから「まるでSF映画のサイバーパンク都市に迷い込んだようだ」と評され、SNSや動画プラットフォームを通じて爆発的な拡散を遂げました。