日本テレビをはじめとする大手キー局が長年にわたり制作してきた人物ドキュメンタリーや密着番組は、長嶋家の栄光と影を記録し続けてきた。スポーツジャーナリズムの視点から見ても、これほどドラマチックで残酷、かつ美しい家族史は類を見ない。
国民的ヒーローの家庭でありながら、常にカメラに追われ、一挙一動がゴシップ記事の標的となる環境。一茂と正興、そして長女の有希さんや次女の三奈さんも含めた「長嶋家」の物語は、日本社会における家族像や二世タレントの葛藤を象徴するケーススタディでもある。テレビカメラの前で見せる笑顔の裏にあった苦悩を検証することで、彼らが勝ち取った現在の平穏の意味が浮き彫りになる。