本作において、物語の狂言回しでありながら最大のミステリーを担っていたのが、菅田将暉演じる春海一徳(はるみ いっとく)でした。ボロボロの衣服をまとい、ギターを抱えて橋の下で暮らすホームレスのストリートミュージシャンという特異な設定で、第1話から独特の異彩を放っていました。
春海は単なる脇役ではなく、旺太郎がタイムリープに巻き込まれていることを最初から見抜き、時折核心を突くアドバイスを与える「導き手」でした。実は彼自身も過去にタイムリープ能力者と関わりを持っていたことが作中で示唆されており、物語のキーマンとして機能しています。
さらに特筆すべきは、本作の主題歌「さよならエレジー」の存在です。山﨑賢人と菅田将暉はプライベートでも親交が深く、山﨑の記念すべき連続ドラマ初主演にあたり、菅田が「友人の晴れ舞台を音楽で支えたい」と熱望したことで実現しました。シンガーソングライターの石崎ひゅーいが作詞・作曲を手掛けたこのストレートなロックナンバーは、孤独に抗いながら疾走する主人公・旺太郎の心象風景と完璧にシンクロし、ストリーミング再生数億回を超える社会的大ヒットを記録しました。