本格的な絵手紙を始めるにあたり、専門店で高価な青墨や本画仙紙を買い揃える必要は全くない。近年、大手100円ショップ(ダイソー、セリア等)で展開されている水彩画材や筆ペンの品質向上は著しく、プロの講師陣からも「初心者の導入にはこれで十分」と太鼓判を押されるレベルに達している。
中でも特筆すべきは、100均で入手可能な固形水彩絵の具や顔彩風パレット、そして水性顔料インクを採用した筆ペンである。毛筆の扱いに不慣れな初心者にとって、水の量をコントロールしやすいウォーターブラシ(水筆)と、滲みにくい顔料筆ペンの組み合わせは、失敗のリスクを最小限に抑える最強のツールと言える。
筆ペンを使う際の決定的なコツは、「筆の軸の一番後ろをつまむように持つ」ことだ。鉛筆持ちをすると無意識に手首を固定してしまい、滑らかで整いすぎた面白みのない線になってしまう。あえてコントロールが利かない持ち方をし、亀が歩くようなスピードで紙の上に筆先を滑らせることで、かすれや揺らぎを含んだ味のある「生きた線」が自然に生まれる。