12年という歳月は、あの騒動を客観的に見つめ直すのに十分な時間だ。当時は正義の鉄槌を下すかのように行われたメディアの報道姿勢は、今では行き過ぎた「リンチ」であったと批判的に語られることも少なくない。一人の若い女性研究者に対して、国中が総出で牙を剥いた構図は、現代のSNS社会における炎上事案の先駆けでもあった。
彼女の犯した過ちは科学的なルール違反であり、許されるものではなかったかもしれない。しかし、人格否定にまで及んだバッシングは、果たして正当だったのだろうか。2026年の今、私たちは彼女の現在を追いかけると同時に、自らの加害性をも問い直されている。