結論から明言すれば、『あひるの空』は完結していません。講談社および「週刊少年マガジン」編集部から正式な連載終了の告知は一切出されておらず、作品の法的なステータスは「休載中」のまま維持されています。しかし、ネット上で「打ち切り終了した」という言説が定着してしまったのには、明確な背景が存在します。
物語が停止したのは、2019年5月15日発売の「週刊少年マガジン」2019年25号に掲載された第616話「FIN⑳」です。この回の巻末において「次号よりしばらくの間、休載いたします」とのアナウンスがなされて以降、2026年に至るまで丸7年近くにわたって本編が1話も掲載されていません。雑誌連載において7年間の沈黙は異例中の異例であり、事情を知らない読者が「中途半端なまま打ち切られた」と解釈してしまうのは無理もない状況と言えます。
さらに、掲載最終話となったエピソードのサブタイトルに「FIN」という単語が含まれていたことも誤解に拍車をかけました。この「FIN」は連載自体の幕引きではなく、インターハイ神奈川県予選の激闘を描き切った「ひとつの章のピリオド」を意味していましたが、初見の読者に「最終回を迎えた」と錯覚させる決定的な要因となりました。