「メロディー」の歌詞を紐解くと、情景描写の一つひとつが旭川の厳しい自然と、そこで育まれたバンドの原風景に重なり合っていることが分かります。
作詞・作曲ともに玉置浩二自身が手掛けたこの楽曲では、飾らない平易な日本語が選ばれています。「野良犬」「夕暮れ」「路地裏」といったノスタルジックなワードは、都会の洗練されたポップスとは対極にある、泥臭くも温かい人間の体温を感じさせます。
特にサビで繰り返される「メロディー 泣きながら ぼくたちは 幸せを見つめてたよ」という一節には、貧しくとも音楽があれば満たされていた青春時代への敬意と、大人になるにつれて失ってしまった純粋さへの痛切な悔恨が凝縮されています。
大人になり、商業的な成功や人間関係の摩擦によって傷ついた玉置浩二が、「あの歌は心から聞こえてる」と歌い上げる瞬間、それは音楽という原点に戻ることで自己を救済しようとする祈りそのものへと昇華されます。