実は「スイングトップ」という名称自体、和製英語であることは意外と知られていない。この魅力的なネーミングを考案し、日本全国へ広めた立役者こそ、日本のファッション界の草分けである株式会社ヴァンヂャケットだ。昭和のアイビーブームを牽引したVANは、ゴルフのスイングから着想を得てこの和製英語を生み出し、若者たちの憧れのアイテムとして定着させた。
VANが発信したスタイルは、日本におけるアメカジの骨組みを形成した。イギリス生まれのG9やアメリカ生まれのスポーツウェアが持つ要素を融合させ、日本人の体型や気候に合うアウターウェアとして再解釈されたスイングトップ。みゆき族をはじめとするカルチャー運動とともに街へ溢れ出たその一着は、単なる輸入品の模倣にとどまらない、独自の日本のメンズスタイルを確立する原動力となったのだ。