『HELLO』の誕生を語る上で欠かせないのが、1995年1月から3月にかけて放送されたフジテレビ系ドラマ『最高の片想い WHITE LOVE STORY』(本木雅弘、深津絵里主演)の存在です。冬のゲレンデを舞台に繰り広げられた切なくもピュアな恋愛劇に対し、福山雅治はドラマのプロットを綿密に読み込み、劇中の熱量を増幅させる劇伴としての役割を徹底的に追求しました。
当時のラジオ番組(『福山雅治のオールナイトニッポン』等)や音楽誌のインタビューにおいて、福山本人は「冬のドラマだからこそ、あえて湿っぽくならず、突き抜けるような疾走感とスピード感を出したかった」と制作当時の胸中を明かしています。冬の冷たい空気感を切り裂くようなアッパーなビートは、主人公たちが抱える片想いのもどかしさを一気に加速させる起爆剤となりました。
制作陣には、BOØWYやJUDY AND MARY、GLAYなどを手掛けた伝説的音楽プロデューサー・佐久間正英氏がアレンジャーとして参画。イントロの歯切れ良いアコースティックギターのカッティングから、エレキギターの重厚なリフ、うねるベースラインへと繋がる緻密なバンドアンサンブルは、福山と佐久間氏がスタジオで妥協なき音のぶつかり合いを重ねた末に完成したものです。
当時、俳優としても多忙を極めていた福山雅治が、過密スケジュールの合間を縫ってギターを抱え、自身のソングライティング能力を極限まで研ぎ澄まして生み出した渾身の1曲。それが『HELLO』という作品の持つ圧倒的なエネルギーの源泉となっています。