オーストラリアが生んだ至宝、ピーター・トムソン。彼がコース設計において最も嫌ったのは「単調さ」だった。自然の起伏をそのまま生かし、プレーヤーの過信を鋭利に突くバンカー配置。三鈴の各ホールには、彼の冷徹なまでの観察眼が息づいている。力任せのドライバーショットは、フェアウェイのアンジュレーションによって無慈悲にもラフへと弾かれる仕組みだ。
近年、日本ゴルフ協会(JGA)による査定の見直しが取り沙汰される中、公式コースレートの数字以上のプレッシャーが浮き彫りになっている。コースレートは一見すると数字の羅列に過ぎない。だが、その裏には各ホールのハザード距離と傾斜が緻密に織り込まれている。飛距離至上主義の現代ギアを手にしたゴルファーに対し、頭脳と正確性を要求する本来のリンクス哲学が今改めて牙を剥いている。