母体の日常行動が流産の直接原因ではないとしても、母体から発信される病的な兆候を見逃してよいわけではありません。妊娠初期の身体に異変が起きた場合、迅速に状況を見極める観察眼が求められます。
受精卵が子宮内膜に潜り込む際に起こる「着床出血」や、胎盤が作られる過程で血管が破綻して生じる「絨毛膜下血腫」など、経過観察で問題ない出血も多く存在します。一方で、直ちに産婦人科へ連絡し受診すべきレッドフラッグ(危険信号)は以下の通りです。
- 月経時と同等以上の鮮血が持続して出ている場合
- レバーのような大きな血液の塊が排出された場合
- 周期的または持続的に強まる下腹部全体の激しい痛み
- 冷や汗を伴うような下腹部の片側だけの鋭い差し込み痛(異所性妊娠=子宮外妊娠の疑い)
- 発熱や悪臭を伴う帯下(おりもの)の増加
特に子宮外妊娠は、放置すると卵管破裂を起こして母体の生命に直結する危険な疾患です。「妊娠初期の腹痛はよくあること」と自己完結せず、痛みの強度が増している場合や出血を伴う場合は、夜間や休日であってもかかりつけ医に連絡し、指示を仰ぐ姿勢が身を守ります。