2012年に公開された『映画 紙兎ロペ つか、夏休みラスイチってマジっすか!?』は、作品が全国区の知名度を獲得する決定打となりました。夏休み最終日に自由研究の工作を巡ってロペとアキラ先輩が街を奔走するストーリーは、大手映画レビューサイトで平均3.6〜3.8点(5点満点)という手堅い評価を記録しています。日常のゆるさを保ちつつ、85分間の劇場スケールへと昇華させた構成は「何も考えずに笑える良作」として受け入れられました。
一方で、インターネット上のコミュニティ(5ちゃんねる、Yahoo!知恵袋、Xなど)におけるユーザーの声は、明確に2つの陣営に分かれています。
初期のTOHOシネマズ時代を知るファン層からは、「内山監督時代の、会話の沈黙や気まずい空気感こそが至高だった」「声優が変わってからのロペは、普通の優等生アニメになってしまい毒気が消えた」という根強い惜別の声が聞かれます。これに対し、めざましテレビの朝の習慣として定着した後の視聴者層からは、「朝の忙しい時間帯にクスッと笑えるちょうどいい温度感」「子供と一緒に安心して見られる日常のオアシス」として、現行体制の親しみやすさを肯定的に捉える意見が主流を占めています。この評価の二極化こそが、インディーズの尖ったカルチャーが大衆向け公共放送へと適応していったプロセスの生々しい証拠です。