私たちが普段行っている割り算は、数学的には「掛け算の逆演算」として定義されています。たとえば「6÷2=3」が成り立つのは、「2×3=6」という掛け算が成立するからです。つまり、「a÷b=c」とは「b×c=a」を満たす数「c」を見つける作業にほかなりません。
このルールをそのまま「0÷0」に当てはめてみましょう。「0÷0=c」とおくと、逆算の式は「0×c=0」となります。
ここで立ち止まって考えてみてください。0に掛けて0になる数「c」とは何でしょうか。1を掛けても0、100を掛けても0、果てはマイナス5億を掛けても0になります。実数・複素数を問わず、あらゆる数値がこの等式を満たしてしまうのです。
答えが「1つに定まらない」状態は、計算の結果として唯一の数値を導き出さなければならない数学において、演算として成立していないことを意味します。これが、数学でゼロ除算が定義されない最大の理由です。