叶井俊太郎の名を決定づけた代表作のひとつが、1998年公開のドイツ映画『キラーコンドーム』だ。タイトルだけで失笑を買うような作品に作家のプロモーションや過激なタイアップを仕掛け、ミニシアターの動員記録を塗り替えるロングランヒットを記録させた。
その嗅覚は2010年代に入っても衰えを知らなかった。人間同士を外科手術でつなぎ合わせるという狂気の設定を描いた『ムカデ人間』では、劇場公開前からSNSや口コミを巻き込むバイラルプロモーションを展開。映画ファンのみならず一般層まで巻き込む一大ブームを巻き起こした。生理的嫌悪感を逆手に取り、見たいという好奇心へと変換させる魔術のような手腕は、今なお映画宣伝の金字塔として語り継がれている。