単なる「マナー」や「約束事」だと思われがちな書き順だが、近年の脳科学研究によって、その実用的な効能が次々と解明されている。手書き運動と脳の認知機能を研究する専門家によると、正しい筆順に従ってペンを動かす際、運動野と視覚野が最も効率よく連動し、文字の空間配置を無意識に最適化できるという。
自己流の書き順で書いた文字は、重心がブレやすく形が崩れがちになる。一方で、理にかなった筆順を守ると手首の動きに無駄がなくなり、自然とバランスの取れた整った文字が書ける。さらに、手運動のパターンが脳に深く刻まれることで、漢字の記憶定着率や集中力の維持にも劇的な効果があることが分かってきた。