対極に位置しながらも、圧倒的な支持で現代人を救済しているのが料理研究家・リュウジ氏の存在だ。疲労困憊で何もしたくない夜のために考案された「虚無シリーズ」は、最低限の調味料と食材だけで驚異的な旨味を引き出す。包丁すら使わず、器の中で完結させるレシピ群は、もはや一つのカルチャーとなった。
「ちゃんとした料理を作らなければならない」という呪縛をユーモアと科学的アプローチで解き放ち、美味しいものを食べる権利は誰にでもあるのだと肯定する姿勢。そのリアリズムこそが、多忙を極める現代人の胃袋とメンタルを同時に救い続けている。