大後寿々花の子役時代と現在|Sayuriで世界を震わせた天才の軌跡

大後寿々花の子役時代と現在|Sayuriで世界を震わせた天才の軌跡

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世界的な脚光を浴びた後も、彼女の歩みは極めて冷静かつ挑戦的でした。大後寿々花が演じた役柄は、いわゆる「お行儀の良い優等生」や「大人の顔色を窺う可愛らしい子役」とは一線を画していました。

その真骨頂と言えるのが、2007年に日本テレビ系で放送された連続ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』です。当時13歳、中学2年生だった大後寿々花は、松山ケンイチとのダブル主演で連ドラ初ヒロインに抜擢されました。彼女が演じた「ニコ(林二湖)」は、七色の声を使い分ける能力を持ち、どこか冷めた視線で大人の嘘や社会の矛盾を見つめる風変わりな少女でした。

大人の欺瞞を鋭く突く乾いたセリフ回しと、ふとした瞬間に覗かせる年相応の脆さ。子役にありがちな過剰な芝居を一切排し、自然体の佇まいだけで視聴者の心を揺さぶった演技は批評家筋からも絶賛を浴び、第53回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演女優賞を受賞しました。共演した松山ケンイチも当時のメディア取材に対し、「彼女の芝居には小細工がなく、感情そのものが直接ぶつかってくる」と舌を巻いていたほどです。

その後もNHK大河ドラマ『八重の桜』や数々の単発ドラマ、骨太なサスペンス作品などに出演。どんな小さな役であっても作品のトーンに溶け込み、確固たる爪痕を残す存在感は、10代半ばにしてすでに「若き職人俳優」の風格を漂わせていました。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。