インターネット上の掲示板やSNSでは、本作を巡るいくつかの都市伝説や事実誤認が長年語り継がれています。その代表格が「サザンメンバーの実話に基づく告白ソングなのではないか」という説です。
一部のネット記事では、当時サザンの周辺で起きたスキャンダルをモデルにしたとする憶測が散見されますが、これは明確な誤解です。前述の通り、この曲はドラマ『スウィート・シーズン』の企画段階でプロデューサー陣から「禁断の恋を描くドラマを象徴する、せつなくも力強い主題歌」を依頼され、桑田佳祐が職人技として創り上げた楽曲です。桑田本人は自著や音楽専門誌のインタビューにおいて、「いかに聴き手を主人公の不埒な世界へ引きずり込むか、言葉のハメ込みに全精力を注いだ」と語っており、私小説的な告白ではなく、計算し尽くされたポップアートであることが証明されています。
もう一つの誤解は、曲中に登場する「シーガーディアン」というバーの場所に関する混同です。現在ホテルニューグランド内には、創業時のクラシックな雰囲気を残す「バー シーガーディアンII」と、横浜そごう内にある「バー シーガーディアンIII」が存在します。歌詞が意図している本来の聖地は、本館1階で重厚な歴史を刻む「シーガーディアンII」です。聖地巡礼に赴くファンが誤って商業施設内の店舗へ向かってしまうケースが散見されるため、歴史的空間を味わうなら山下公園前のホテルニューグランド本館へ足を運ぶのが正解です。