長年論争が続く「どっちが人気なのか」という命題に対し、東洋水産が公表している販売動向やPOSデータ分析から導き出される結論は、年間を通した実売数において「赤いきつね」の勝利です。全国のスーパーやコンビニにおける通常期の売上比率は、およそ「赤6:緑4」の割合で推移しており、定番としての強さは赤いきつねが一歩リードしています。
赤いきつねが通年で高いシェアを誇る最大の要因は、うどんという食品が持つ「日常食としての汎用性の高さ」にあります。離乳食期を抜けた幼児から高齢者まで幅広い年齢層が日常的に食べやすく、体調がすぐれない時や朝食代わりにも選ばれやすい点が、底堅いリピート買いを支えています。
ところが、12月に入ると市場の力学は完全に逆転します。「年越しそば」という強力な日本の伝統行事の恩恵を一身に受け、12月単月の販売実績では緑のたぬきが赤いきつねを圧倒。年間販売数の約2割近くをこの年末商戦だけで叩き出す年もあるほどで、緑のたぬきは「冬の爆発力」において他の追随を許しません。平時の赤、瞬発力の緑という鮮やかな住み分けが、ブランド全体の共倒れを防ぐ見事な相乗効果を生み出しています。