ネット上の相談掲示板で散見される「わさびデェールを付けたのに臭いが消えない」という現象の正体は、製品の不具合ではなく「抗菌剤」と「洗浄剤」の混同にあります。
わさびデェールは、エバポレーターの表面で微生物が増殖するのを抑える「静菌・防カビ」が主目的のデバイスです。すでにエバポレーターのアルミフィンにカビのコロニーがびっしりこびりつき、ホコリや油汚れと混ざり合ってヘドロ状になっている場合、揮発成分を浴びせても物理的な汚れの塊が消え去るわけではありません。汚れ自体が発する腐敗臭を完全に分解することは不可能なのです。
また、古いエアコンフィルターにそのままわさびデェールを取り付けてしまうミスも多発しています。フィルター自体に目詰まりした排気ガスの微粒子や花粉、死骸となった虫から生じる臭いは、わさび成分でも防ぎきれません。「エバポレーターを清潔な状態にする、または新品フィルターに交換した上で取り付ける」という大前提を守らなければ、期待した消臭効果を実感できないのが現場の実態です。