日本において「斜め45度」というフレーズが国民的な共通言語へと押し上げられた背景には、2000年代初頭のメディア革命が存在します。その決定打となったのが、フジテレビ系列の報道番組『ニュースJAPAN』でキャスターを務めた滝川クリステル氏の着席アングルです。
報道関係者の証言によると、当時のスタジオセット設計において、メインキャスターが正面ではなくデスクに対して体を斜めに開き、カメラへ向けて首だけを45度傾けて視線を送るレイアウトは極めて異例の試みでした。当時の番組プロデューサーや演出陣は、硬派なニュースの緊迫感を保ちつつ、視聴者を引き込む「プライベートな親密さ」を演出するためにこの角度をミリ単位で固定したと語られています。
公の場で見せた滝川氏の上品かつ知的な微笑みと、彫りの深い目元を際立たせる斜め45度の構図は、「滝川クリステルの斜め45度」として一大ブームを巻き起こしました。自撮り文化が成熟する以前の日本社会において、「女性が最も美しく、理知的に見える画角」としての強烈な原体験を視聴者に植え付け、後の雑誌カルチャーやグラビアの現場における斜め45度ポーズの真相として定着していくことになりました。