反乱が鎮まり、平和を取り戻したアラバスタ王国。麦わらの一味はビビを迎えに行くため、約束の海岸「東の港」へ船を寄せます。しかし、そこに現れたビビは海賊船へ乗り込むのではなく、マイクを握りしめて国民の前で別れのスピーチを始めました。
ビビは一味と共に冒険を続けたいという強い本音を抱きながらも、「一国の王女として、傷ついた祖国を復興に導く」という重い使命を選び取ったのです。そして電伝虫越しに、船上の仲間たちへ向けて涙ながらに問いかけます。
「いつかまた会えたら…!!! もう一度 仲間と呼んでくれますか!!!?」
この問いに対し、ルフィは思わず大声で返事をしようとしますが、ゾロがそれを制止します。当時、海岸付近には海軍の包囲網が迫っていました。もし海賊であるルフィたちが言葉を返せば、ビビが「凶悪な海賊の一味」であったことが海軍に露呈し、彼女は祖国を追われる犯罪者になってしまいます。
ビビの立場と未来を守るため、言葉による返答は一切許されない――。そこで一味が取った行動こそが、「全員が背中を向け、無言で左腕を高く突き上げるポーズ」でした。包帯はすでに外され、露わになった黒い×印が陽光に輝きます。「言葉は交わせなくとも、背中を向けて離れていようとも、お前は永久に私たちの仲間だ」という無言のメッセージは、海軍の目を欺きながらビビの心だけにダイレクトに届いたのです。