防已黄耆湯と防風通聖散はどっち?水太り・固太りの違いと選び方

防已黄耆湯と防風通聖散はどっち?水太り・固太りの違いと選び方

防已黄耆湯と防風通聖散はどっち?水太り・固太りの違いと選び方とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

漢方において、太り方や肥満のタイプは一括りにされません。投薬の成否を分ける最大の鍵は、その人の体力が充実しているか(実証)、あるいは不足して虚弱化しているか(虚証)という漢方 体質診断 見分け方にあります。

まず「防已黄耆湯」が適するのは、いわゆる虚証(きょしょう)の体質です。筋肉量が少なく皮膚が柔らかい、夕方になると下半身や足首が靴下の跡でくっきり凹む、少し動いただけでダラダラと汗をかく、日頃から疲れやすく胃腸が弱い——こうした特徴を持つ人は、体内の水分代謝が滞る「水滞(すいたい)」に陥っています。この余分な水分が皮下に溜まり、重力で下半身に沈着した状態こそが典型的な水太りです。

対照的に「防風通聖散」がターゲットとするのは、生命力とエネルギーに満ちた実証(じっしょう)の体質です。骨組みがしっかりしていて筋肉質、あるいは腹部に厚い脂肪がついて太鼓のようにせり出している、脂っこい食事や大食いを好む、暑がりで顔に赤みがある、そして頑固な便秘に悩まされている——こうしたタイプは、体内に過剰な熱と老廃物が充満する「湿熱(しつねつ)」や「食毒」を抱えています。いわゆる固太りと呼ばれる状態であり、蓄積した皮下脂肪や内臓脂肪を燃焼・排泄させる強い瀉下(しゃげ=便を出す)作用が求められます。

このように、エネルギーが足りずに水分が溜まっている人に瀉下力の強い防風通聖散を与えれば体力を奪い去って衰弱させ、逆に体内に熱がこもって便秘している人に水分代謝補給の防已黄耆湯を与えても脂肪は微動だにしません。まずは自身の体質が「虚」か「実」かを冷静に見極める必要があります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。