札幌の場外市場に対して、「観光地化が進みすぎて割高ではないか」「どこも似たような冷凍モノを使っているのではないか」という先入観を抱く消費者は少なくありません。しかし、現場の構造を細かく紐解くと、この認識は必ずしも全体に当てはまるわけではないことが分かります。
路面に面した大規模な観光バス受け入れ店では、巨額のテナント料や宣伝広告費が価格に転嫁されがちです。対して、卸売センターの2階という奥まった位置にある「すし処 ひしの木」は、中間コストを削ぎ落とし、その余力を食材の質と原価率に直接還元しています。冷凍解凍によるドリップ(旨味成分の流出)を極力排除し、生ネタを中心とした仕入れを厳守している点も、安易な量販店との決定的な差別化要素です。
「観光地だから高い」という画一的な思い込みで敬遠してしまうと、市場本来の醍醐味である「圧倒的鮮度の魚介を職人技で適正に味わう」という贅沢な機会を逃すことになります。