水子地蔵を拝む際、多くの人が印象深く感じるのが「赤い前掛け(よだれかけ)」と「色鮮やかな風車」です。これらは単なる装飾ではなく、深い親心と祈りが込められた象徴的なアイテムです。
まず、水子地蔵が赤い前掛けを着けている最大の理由は「魔除け」と「母性の投影」にあります。古代より「赤」は太陽や炎、血液を象徴し、清らかな生命力と邪気を払う強い力を持つ色とされてきました。生まれたばかりの赤子に赤い産着を着せる風習と同様に、亡くなった我が子が冥土で悪霊や災厄に遭わないよう祈願する意味があります。また、本来なら母親が着せてあげるはずだったよだれかけを地蔵に着せることで、「母の代わりにこの子を守ってください」という願いを託しているのです。
一方、境内に立ち並ぶ風車が持つ意味は、子どもの霊魂に対する供養の贈り物です。現世で玩具に触れる機会のなかった我が子が寂しくないよう、あの世で遊べる遊具として供えられます。また、風を受けてくるくると回る風車は「命の輪廻転生」や「親の祈りが風に乗ってあの世へ届くこと」を表しているとも伝えられています。