ネットの掲示板や知恵袋などで頻繁に見かける「セルフ縮毛矯正で髪がチリチリになった」というトラブル。結論から申し上げますと、この噂は決して大げさな脅しではなく、化学的・物理的な必然として起こる現実です。
髪の毛の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。縮毛矯正は、1剤に含まれるアルカリ剤と還元剤(チオグリコール酸など)で毛髪内部のシスチン結合を強制的に切断し、ヘアアイロンの熱でまっすぐに整えた後、2剤の酸化剤で再結合させるという極めて高度な化学反応を伴います。
髪がチリチリになる現象は、美容業界で「ビビリ毛」と呼ばれます。これは、薬剤の作用が強すぎて毛髪の強度が著しく低下した状態に、過度なアイロンの熱が加わることで髪のタンパク質が炭化・熱変性を起こし、細胞構造が完全に崩壊してしまう現象です。市販の縮毛矯正剤は、剛毛や強い天然パーマでも伸びるように薬剤のパワー(アルカリ度・還元濃度)がサロン専売品よりも高めに設定されているケースが少なくありません。ダメージ部分と健康毛の境目を肉眼で見極められない素人が全頭に塗布すれば、毛先が限界を超えて溶けるような状態になり、チリチリとした縮れ毛へと変わり果ててしまいます。