『きつねと猟犬』結末の切ない真相とは?原作との違いとトラウマの理由

『きつねと猟犬』結末の切ない真相とは?原作との違いとトラウマの理由

『きつねと猟犬』結末の切ない真相とは?原作との違いとトラウマの理由とはどのようなものなのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

本作には、幼少期に鑑賞したファンの脳裏に焼き付いて離れない「トラウマ級」の名場面が複数存在します。その筆頭が、ツイードおばあさんがトッドを野生の保護区へ置き去りにする「雨の別れ」のシークエンスです。

スレイドの執拗な銃口からトッドの命を守るため、断腸の思いで森へと車を走らせるツイード。車窓から無邪気に顔を出すトッドに対し、車内では名曲『Goodbye May Seem Forever』が流れ、おばあさんの頬を涙が伝います。森の奥にトッドを残し、振り返らずに車を発進させるシーンの圧倒的な絶望感と悲壮美は、多くの子どもたちに深い情緒的インパクトを与えました。

さらに、鉄道橋の上でトッドを追撃していた老犬チーフが、背後から迫る列車に跳ね飛ばされて高架下へと落下する事故シーンも強烈です。実は、制作の初期プロットにおいて「チーフは列車事故で死亡する」という設定で物語が進められていました。

コッパーがトッドへの復讐を誓う動機として「師匠の死」が必要不可欠だと脚本陣は考えていましたが、試写や内部ディスカッションを経て、「主要キャラクターが命を落とす描写はあまりに重すぎる」と判断され、最終的に骨折の重傷を負う形へと変更された経緯があります。もしチーフが絶命していれば、結末の和解はより成立しにくくなっていたはずであり、この改変は作品のバランスを保つための英断であったと言えます。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。