女人禁制を巡り、日本相撲協会が一貫して掲げているのは「差別の意図はなく、祖先から受け継いできた神事の形式を守るための文化的規範である」という主張です。
相撲協会の見解では、以下のような論理が展開されています:
- 土俵は勝敗を争うスポーツ施設であると同時に、神道を起源とする「祭場」である。
- 神事における役割分担や禁忌は宗教儀礼の作法であり、個人の優劣や社会的権利の剥奪(女性蔑視)を目的としたものではない。
- 歌舞伎の女形やカトリックの司祭職など、世界各地の伝統芸能や宗教儀礼にも特定の性別に基づく役割規定が存在する。
これに対し、法学者やジェンダー論の専門家からは異なる批判が突きつけられています。大相撲を運営する日本相撲協会は税制優遇を受ける「公益財団法人」であり、純粋な私的宗教法人ではありません。日本国憲法第14条が定める法の下の平等や、公的資金・公的枠組みに支えられた団体としての公共性を鑑みた場合、公職者の排除や無差別な女性の立ち入り制限は合理的な理由を欠く「性差別」に該当するのではないか、という指摘が根強く存在します。